録音日 1973年5月30日(ジャケ記載データ)
マイク ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
ズートさんのソプラノ・サックスの前にあるマイクについては、マイク資料に情報はありませんでした。ブルー・マイクロフォンズ社の製品に似てはいたのですが、そこどまりでした。
この特徴あるマイクが写っている本作を「今日の1枚」で取り上げたのは、2000年5月31日でした。「ソプラノがエキゾチックな香を」「なかせ方に圧倒」と、シムズの存在感に惚れ込んだ感想を書いておりました。「Alabamy Home」と「Softly,As In A Morning Sunrise」を取り上げての感想でしたので、今回のつまみ食いでは他の曲に惚れて見ます。
つまみ食い後
「In The Middle Of A Kiss」という、薄っら悲しげなバラッドがあります。有名曲ではないですが、素敵な曲です。ズートさんのテナーは、この薄暮のような悲しさを絶妙な塩梅で聴かせてくれています。このCDには追加曲があり、この曲の別テイクが2つ収録されています。この二つも良いのですが、本テイクと比べれば薄暮の加減が少し違うもの。やはり良い演奏となるまでにはステップが必要なのですね。
またソプラノ・サックスでの演奏では、「Rosemary's Baby」でのスリリング感に、聴き入りました。映画「ローズマリーの赤ちゃん」とのこの曲の関連性は分かりませんが、映画でのミア・ファローの表情が浮かんでくる演奏でした。
本作を久しぶりに聴き返し、良い時間を過ごせました。
(掲示板掲載 2019年2月24日から3日間)
参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)