録音日 1955年8月18日(ジャケ記載データ)
マイク ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
さてスタジオにおけるヴィブラフォンのマイク・セッティングです。ヴィブラフォンは鍵盤したの共鳴菅を介して音が増幅し、これが真上に放出され空間散ってし舞います。従ってマイクセッティングの難しさがあるのですが、鍵盤の上にセットするのが一般的との事です。これは、日本のヴィブラフォン奏者赤松敏弘さんのブログからの引用です。
今回のマイクジャケ作品を見ると、ジャケ中央部にあるマイクが何を録るものかと思いましたが、上記の説明からすれば、間違いなくヴィブラフォンなのでしょう。気になるのは、先のブログには実際の録音風景の写真があるのですが、マイクは上部に2本用意されていることです。このジャケでは1本、そこを考え始めればキリがないのでここまで。
さて最後は、このマイクは何か。ジャケでのマイクは左斜め後方からの撮影ですので、マイク資料を眺めてもなかなか特定できませんでしたが、恐らくはノイマンM149のチューブマイクなのでしょう。
本作品を「今日の1枚」で取り上げたのは、2001年5月17日のことでした。その際には、随分とあっさりとした感想でした。本当に聴いてコメントしたか、疑わしいもの。今回こそはしっかりと「つまみ食い」してみます。
つまみ食い後
このジャスミンから再発されたCDには、Tempoレーベルから発売された2枚の10吋盤と1枚のEPが収録されています。その中のLAP6で発売された作品は、Tommy Polland(p), Eric Peter(b), そしてTony Crombie(d,p)からなるカルテットでの演奏です。
そしてその中にTony Crombie作の「Suite Sixteen」として4曲が収録されています。「Monody」「Minore」「Habanera」「Epilogue」との副題がついた4曲は、孤愁の思いが伝わってくる曲であり、演奏でした。ヴィクターさんのヴィブラフォンの共鳴管の微妙な響きが、切なさと微かな希望を表現していました。実に素敵な空間であり、後年にアメリカのコンテンポラリーがこの演奏を発売したことが、よく分かります。
(掲示板掲載 2019年2月18日から3日間)
参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)