録音日 1962年2月14日(ジャケ記載データ)
マイク ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
「オーケストラをバックに大味に歌っておりまして、心に残る作品とは言えない内容でありました」と、私が本作について否定的な感想を「今日の1枚」で書いてしまったのは、2004年9月29日のことでした。本当にこの時期は、何でもアラを見つけようとしていた時期でした。
ノイマンU47を前に想いを込めて歌っているウインターズさんを感じたいと、つまみ食いを前に思っております。
つまみ食い後
私が洋楽、洋盤に興味を持った小学生高学年の時期に、FENを聴いていた時期がありました。もしかしたら中学生の時だったかもしれませんが、ラジオに耳を傾けておりました。もちろん興味はアメリカの最新のポップスなのですが、FENは私の関心ごとだけで番組を作るわけはなく、当時の私には「爺婆が聴く音楽」と感じたものも流しておりました。
何故こんなことを書くかと言えば、今回のつまみ食いでウインターズさんの歌を聴いて、その時に感じた「爺婆が聴く音楽」はこんなものだったと思ったからです。そしてそれが今では、とても心安らぎ、気持ちが揺れる音楽に感じたのです。
私が持っている本盤は1990年にセンチェリーから国内発売されたものですが、そこで封入解説を書いている清浦敬止氏によれば、黒人歌手たちの影響を受けてきた白人歌手ウインターズさんが、初めて白人らしく歌ったのが本作品とのことです。これを読んでのことかもしれまえんが、いろんな要素を持ち合わせている歌手だなと、私は感じました。
ようやくこの歌手の良さが分かるようになったのか、自分が爺婆に達してきたのかは分かりませんが、何か嬉しい気持ちでつまみ食いを終えました。
(掲示板掲載 2020年1月18日から3日間)
参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)