Eric Dolphy
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録音日 1964年6月2日(ジャケ記載データ)

マイク ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 フルートを吹くドルフィーのカラー写真に映るマイクは、ノイマンU49でしょう。しかしこのマイクはその向きから、ドルフィーの演奏を捉えているものではありません。ジャケ上部の白黒のフルートのドルフィーに向いているマイクは、何のマイクなのか判別不能です。

 ドルフィーはこのラジオ局での録音を終えた翌日の6月3日に、婚約者がバレエの修行を積んでいるパリに旅立つことになります。

 1999年1月30日に「今日の1枚」で本作を取り上げた際には、感想らしい感想を私は書きませんでした。今回のつまみ食いでは、もうすぐ愛する人に会えるドルフィーの気持ちの入った演奏を聴いてみます。

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つまみ食い後

 つまみ食い前にフルートを意識したので、どうしてもフルートでの演奏曲に注目してしまいました。2曲あり、最初はLPでいうところのA面の2曲目、ドルフィー作の「South Street Exit」です。この曲は前年のイリノイ大学でのコンサートで披露された曲です。本作ではドライブ感ある演奏をドルフィーはフルートで行っており、恋人が待つパリへ早く行きたい気持ちが伝わってきます。この演奏を聴きながらジャケを見ますと、フルートが街中を疾走するロードバイクの部品のように思えてきます。

 もう一つのフルート曲は、B面の2曲目に収録されているスタンダードのバラッド曲です。愛の深さを切々をドルフィーはフルートで歌い上げており、落ち着きながらも感情が高まっていく演奏を聴いていますと、ジャケに映るフルートから涙が落ちているように感じました。

 その曲は「You Don't Know What Love Is」、ドルフィーは自分に何かを言い聞かせるようにこのスタンダードを選んだのでしょうかね。

 こじ付けの思いもあるつまみ食いでしたが、この名盤に対してこのような聴き方も良いもんだと思いながら、つまみ食いを終えました。


(掲示板掲載 2019年12月15日から3日間)


参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)