録音日 1962年9月17日(ジャケ記載データ)
マイク ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
このジャケットは、何度見ても迫力があります。何しろエリントンにミンガス、そしてローチの3人がスタジオにいますからね。そして今回は「マイク ジャケでつまみ食い」ですので、ピアノ上にある2本のマイクにも目がいきます。ボケと角度の面から断定はできませんが、チューブマイクのノイマンU47でしょう。御大の演奏に向け、万全の準備が整ったスタジオ風景です。
この作品は「今日の1枚」で2005年3月11日に取り上げました。その際には打楽器であるピアノの演奏に焦点を当てた感想を、私は述べておりました。今回はどの曲の演奏に惚れたか、そんな感想を書ければと思っております。
つまみ食い後
ハンマーがミュージックワイヤーを叩く瞬間、ベースの弦の躍動、スネアとハイアットの鼓動、こんな至近弾を浴びているような気分になる演奏です。
これを聴いて、ロックバンドのザ・フーの演奏を思い出しました。好き勝手に演奏するギター、ドラム、そしてベース。しかしそれらは刺激的な塊になっています。40年近く前のラジオである方が、「フーは全員がいつもソロ演奏している」と言っていました。
このエリントンさんの作品、「全員がいつもソロ演奏している」演奏なのです。それでいながら名演となるのは、偉大な3人だからなのでしょうし、一期一会を大事にして録音に望んだエリントンさんの力なのでしょう。
こんな演奏はスロー・ナンバーでも発揮されています。「Fleurette Africaine」での3人の演奏に聴き入りました。
(掲示板掲載 2019年3月18日から3日間)
参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)