David Murray
Ballads For Bass Clarinet

録音日 1991年10月14日(ジャケ記載データ)

マイク ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 このマレイのバス・クラ作品を「今日の1枚」では、1999年11月24日に取り上げました。バス・クラの音をマレイなりに極上まで高めた本作、そこには当然マイクの存在があります。

 ジャケに映るマイクは、暗い写りながらもその特徴が分かるものです。早速マイク資料で調べたのですが、ロイヤー・ラブスのR-121に似ています。しかしながら先端の形状が違うので、ネットでこのメーカーの他のマイクを調べましたが、ジャケにある形状のマイクは見つかりませんでした。またマイク資料ではR-121を数カ所で取り上げていますが、それはギター録音での記述でした。ここで手詰まり、調査は終了です。

 20年近く前の本作への感想ですが、音にこだわったものだけになりました。今回のつまみ食いでは、マレイの歌心についての感想を書きたいです。

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つまみ食い後

 例えば「Chazz」、このセッションには参加していませんが、マレイの盟友のベース奏者ウィバー・モリスによる曲で、マレイが何度も演奏している曲です。人生を問いかけているようなスローナンバーを、マレイのバスクラは様々な表情を見せながら演奏しています。決して派手さはありませんが、聴き込みほどに味わいが増してきます。

 ここが本作の全体のポイントと言えるでしょう。マレイの数多くの作品の中では語られる機会の少ない作品と本作は言えますが、スルメ盤として凛々しい存在です。


(掲示板掲載 2019年2月21日から3日間)


参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)