録音日 1970年7月25日(ジャケ記載データ)
マイク ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
マイクスタンドの中間部には、アイラーさんのサックスを拾うための、恐らくはコンデンサーマイクがセットされています。そして上部にはダイナミックマイクがセットされています。
2006年1月2日に本作を「今日の1枚」に掲載したのですが、その際のアイラーさん最後の演奏についての記述が間違っていたかもしれません。ただ決定的な情報が得られていませんので、分かり次第その辺りを追加コメントいたします。
兎に角、この7月末数日間のマグー近代美術館主催の前衛音楽祭に招かれての演奏がアイラーさん最後の演奏、今日はステージでのアイラーさんの様子を思い浮かべながら聴いてみます。
つまみ食い後
アイラーの終わりを知らない叫びとマリー・マリアの語り・朗読が絡んで、演劇の中に吸い込まれるような演奏です。この時期になると、フリー系のジャズマンが演劇にも興味を持つ方が多かったと、何かで読んだことを思い出しました。
「New Grass」に収録されている「Heart Love」も演奏されていますが、この作品の中では優しさを持って響く演奏になっています。またこの曲ではアイラーらしき歌声or語りがあり、あのセッティングのマイクが活躍したようですが、そこでのアイラーの表情は私には浮かんできませんでした。
以前、黒蜥蜴という映画を見ました。私が観たのは1968年の映画で、丸山明宏の主演で深作欣二監督のものです。この作品の中でこのアイラーの叫びが使われていても、違和感ないものだと感じました。
(掲示板掲載 2019年1月21日から3日間)
参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)