Eric Alexander
Sunday In New York

録音日 2005年3月18日(ジャケ記載データ)
Like Someone In Love が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前

 ニューヨークという街は、誰もがこういう街だとの見解を持っていることでしょう。ジャズ好きならばニューヨークの情報を嫌でも身につけてきたことでしょうし、映画を見ればニューヨークのいろんなシーンが自然と身についてきていることでしょう。
 私も多くの方と同様にそんな一人ですし、また多くの方と同じでニューヨークに行ったことがありません。従って「ニューヨークの日曜日がどんな感じですか」と聞かれても、答えようがないものです。

 この「今日の1枚からつまみ食い」企画でこのアレキサンダーの作品を引っ張り出して、まず最初に考えたのが「ニューヨークの日曜日」とはどんなものなのかなのですが、行ったこともないので考えはそこで止まったままになりました。しかしながら住んでいる人に「みなとみらいの日曜日は?」と問われても、千差万別の答えになるのでしょうから、ここまで書いた文章は一体なんなのかと笑ってしまいました。でもそう考えてしまったのは、情報だけは大量に蓄積されている都市だからなのでしょう。

 さて本作品のタイトルが、映画の題名であり、その主題曲です。どんな映画かといえば、ネットに「恋人に身体を求められた娘が、一度は拒絶するが、兄にどうするべきか相談しに来る。娘は日頃から厳格な兄を尊敬していたが、実は彼はフリー・セックスの実践者だった」というドタバタ・コメディとの情報がありました。

 さて本題。アップテンポの曲を中心に並べたアレキサンダーの本作品を「今日の1枚」で取り上げたのは、2005年10月3日のことでした。そんな中に「Like Someone In Love」が収録されています。

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つまみ食い後

 アレキサンダーさんは安定した出来の作品を発表し続ける方なので、この作品も安心して聴ける内容になっています。続けて演奏されるアップテンポの曲を聴いていると、いろんな分野の中心であり、かつ非常に動きが速いニューヨークの光景が目に浮かびます。勿論、今までに得てきた私の情報からの光景であり、それが真の姿かは別の話になります。

 そんな光景の中で「Like Someone In Love」は、アレキサンダーのサックスとヒックスのピアノでのデュオ演奏。しかもスロー・テンポ。何故だか、恋人の思いに応えようとするがなかなか踏み込めずに悩んでいる娘さんの姿が、頭に浮かびました。

 今日は頭の中でニューヨークが妙に動き回り、こんな感想を書くような気分で、本作品を聴き終えました。

(掲示板掲載 2018年2月24日から3日間)