録音日 1989年10月15日(ジャケ記載データ)
Just In Time が収録されている作品をつまみ食い
つまみ食い前
この作品が発売されてから18年となりますが、ネット上で未だにこのライブへの賞賛が耐えません。恐らくはキースが苦手という人も、またピアノトリオはあまり聴きませんという人も、この作品には惚れ込んできたのではないでしょうか。
さて本作品を2008年8月1日に「今日の1枚」で取り上げた際には、私も絶賛しておりました。本作品はタイトルにある通りに、有名ジャズマンに各曲をトリビュートしたものとなっています。「今日の1枚」では、ロリンズへの「オール・ザ・シングス・ユーアー」、ホーキンスへの「煙が目にしみる」、コルトレーンへの「イッツ・イージー・トゥ・リメンバー」への感想を述べていました。
今日はパーカーへの「ジャスト・イン・タイム」を中心に聴いてみます。
つまみ食い後
日本で日常語になっている英単語は数多くありますが、私は「今日の1枚」ではなるべく日本語使用を心がけてきました。前段ではトリビュートと書いたのですが、これはタイトル名であるからでのことだけではなく、最適な日本語が思い浮かばなかったからであります。「捧げる」という訳語としてよく用いられる言葉では、正確でないかなと考えたからです。
今回改めて本ライブ作品を聴いてみて、「感謝の気持ち」という言葉がここでのトリビュートには相応しい日本語だと感じました。
「ジャスト・イン・タイム」では、ディジョネットとキースの演奏の投げ合いが自然に盛り上がっていき、この曲の新たな魅力を私に、そして聴くものすべてに投げかけてきています。
こんなことを感じながら、パーカーと「ジャスト・イン・タイム」が結びつかなく、ディスコグラフィで調べたのですが、そこにはパーカーのこの曲のレコーディング歴はありませんでした。この曲はミュージカル「ベルズ・アー・リンギング」も主題歌として1956年にヒットしたものです。従ってパーカーにレコーディング歴が無いのは当然なのですが、そうするとキースはこの曲を何故パーカーに捧げたのと考えました。
私の中で浮かんだ回答は、あなたのおかげで我々はジャズの魅力を今でも楽しんでいるのですよとの、キースのパーカーに対する感謝の気持ちであるとのもでした。
(掲示板掲載 2018年1月15日から3日間)