Prestige All-Stars
After Hours

録音日 1957年6月21日(ジャケ記載データ)

ソラ ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 「無数の細かな水滴が、層雲からゆっくりと落ちてくるのが霧雨です。水滴が細かいために、光は散乱、吸収されますから、辺りはぼんやりしてしまいます。見慣れた風景が単色になり新鮮に感じられます」、ソラ資料にある霧雨の解説です。私がすぐに思いつく「見慣れた風景が単色になり新鮮に感じられ」る光景は、香港島の街中のもですが、NYに生活していた方なら、この作品のジャケの光景もそんな瞬間なのでしょう。

 プレスティッジ名物の寄せ集めセッションであり、しかも人気盤のこの一枚を「今日の1枚」で取り上げたのは、2004年1月3日のことでした。今日は夜の霧雨の雰囲気を味わえる演奏に、触れてみたいと思います。

1jsky09

つまみ食い後

 参加メンバーは当時はお忙氏の方々、恐らくはクラブでの演奏を終えて、バンゲル・スタジオに集まったのでしょう。プレスティッジへのレコーディングも需要なお仕事なのでしょうけど、そこは寄せ集めセッション、マル以外のメンバーにしてみたら「After Hours」の気分だったのでしょう。マルが準備した中で、力を抜いて演奏を楽しむメンバーの姿があります。しかしそこは実力者たち、フルートにトランペット、そしてギターの音色がズバリと決まっています。

 霧雨での単色での幻想的な街の雰囲気とは違う、三人の音の重なり合いとリズム陣のキレの良さを楽しめる作品です。


(掲示板掲載 2020年4月21日から3日間)



参考資料 高橋健司著、空の名前(改訂版)、東京:角川書店、2004年
(文中ではソラ資料と表記)