録音日 2002年2月1日(年月はジャケ記載データ、日は決め打ち)
ソラ ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
茜色の空、そしてより茜色に輝く道、季節が移っていく瞬間を切り取ったようなジャケです。
本作を「今日の1枚」で2003年2月1日に取り上げた際には、「攻撃と美の絶妙なバランス。更に練りあがったならば、名盤が誕生することでしょう」と、私は感想を述べました。いいんだけどあと一歩、そんな思いの17年前だったのでしょうか。
1960年代からアメリカやイギリスで活躍していたピアノ奏者のマイク・ノックですが、彼の転換点として、1983年から母国ニュージーランドで「ノック・オン・ジャズ」というTV番組のホスト役を務めたことがあげられます。このTVシリーズと、さらに彼の音楽人生のドキュメンタリー番組が放送され、ニュージーランドやオーストラリアのみならず、アメリカや欧州でも再び彼に注目が集まったとのことです。
この作品を録音した時には61歳のマイク・ノックですが、順調な音楽人生を送っていたようです。
つまみ食い後
コートが必要な日々と半袖シャツで街中を歩ける日々の間隔が、年々短くなってきていると感じる私ですが、それでも桜の開花から満開の時期には春を実感できます。
このノックさんの作品のタイトル、「季節の移り変わり」の副題は「春から夏へ」であります。そのタイトル曲では、何やら自然の厳しさと、心の変化を表現しているような演奏です。ニュージーランドの春は9から11月、夏は12から2月、インターネットによれば楽園のようなシーズンとのことです。しかしそこに暮らしている方々には、ノックさんの演奏のような気持ちを感じる時期なのかもしれません。
(掲示板掲載 2020年8月18日から3日間)
参考資料 高橋健司著、空の名前(改訂版)、東京:角川書店、2004年
(文中ではソラ資料と表記)