Madeleine Peyroux
Careless Love

録音日 2004年1月4日(全て決め打ち)

イス ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 裏道、あるいは倉庫街にダイニング・チェアを持ち出し、花を添えて素足で座る、考えようでは気持ちの持ちようが一般人の域を超えているようにも感じます。でも音楽で生計を立てようと考える人は一般人とは違うのでしょうから、こんな構図もすんなりと受け入れましょう。

 イス ジャケは間違いなしですが、膝から下を見せているだけですので、脚ジャケとは言えないです。

 本作を「今日の1枚」で2005年6月28日に取り上げた際には、「少し鼻に掛かる明るい声ですが、明るさがない。何か悲壮感がある声」との感想を書きました。自分で書いた文章を14年ぶりに読むのですが、言いたい事が分からない文章です。

 さらに14年前の感想は分からない文章となり、「シャンソン味入りのフォーク・ロック調のジャズ・ヴォーカル」などとも書きました。今回は少なくとも、分かりやすい感想を書きたいものです。

 最後にマデリン・ペルーさんについてネットで調べたところ、かなりの人気者のようですね。寡作の方のようで、その分、一作一作に注目が集まっている方のようです。

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つまみ食い後

 語り口と申しますか、歌い回しがフォークの人なのです。名前を覚えていない1960年代の女性フォーク歌手が何人か、私の頭に浮かびました。そんな意味は、ディラン作の「You're Gonna Make Me Lonesome When You Go」で強く感じました。

 口にした時にはほんわかした味わいですが、後に幾つもの味が出てくる、そんな感じの歌です。この奥深さに聴き入り、マデリンさんが選んだ各曲の個性に心が入っていきます。

 聴きごたえある作品です。


(掲示板掲載 2019年9月18日から3日間)


参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)