録音日 1958年10月1日(年は多分、月日は決め打ち)
イス ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
2000年頃はデジタル一眼レフカメラの聡明期であり、またインターネットによるコミュニケーションの活発さが加速していった時期でした。私はジャズと共にカメラや撮影に関するサイトや掲示板などで、いろんな方から情報を得ていました。
その中に真面目な方々が真摯に撮影技術を追求しているサイトがあり、ある企画でスタジオで白バックでの卵撮影なるものがありました。私はある理由で参加しようとは思わなかったのですが、対象物とバックが同色というのは、ライティングを中心にした露出の扱いが非常に難しいものなので、内容自体には非常に興味がありました。
本作のジャケは、まさにそんな設定の写真であります。カーテン、床、ソファ、そしてケニーさんのお召し物が同色ですが、ソファーとお召し物がはっきりと個性を主張しています。暗室作業を含めて、まさにプロの仕事と言える写真です。
そのソファーですが、かなり独特のデザインです。リラックス系ソファーの中で、片アームのソファーは、それなりに見かけるものです。コルビュジエのLCシリーズの中にも、片アームのソファーがあります。このジャケのソファーも有名作なのでしょうが、イス資料には掲載されていませんでした。ちなみにリラックス系ソファーはお金持ちの方々に人気のようで、マーク・ニューソンのロッキード・ラウンジという1985年発売のかなり独特のソファーが、2006年に100万ドルで落札されたと、イス資料にあります。
それでは2005年9月3日に「今日の1枚」に掲載した、ビヴァリー・ケニーさんのデッカ時代の作品を聴いてみます。
つまみ食い後
「アゲイン」はアイダ・ルビノ主演映画「ロード・ハウス」で使われた曲で、映画ではルビノ自ら歌っていました。その後もドリス・デイやメル・トーメなど、多くの方に歌われた曲です。「こんなことは二度と起こらないであろう、生涯たった一度のときめき」との歌をケニーさんは、温かみある優しさで歌っています。
ジャケの雰囲気を頭に置いて聴いた今回のつまみ食い、この曲が印象に残りました。
(掲示板掲載 2020年5月21日から3日間)
参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)