録音日 1998年1月5日(年は多分、月日は決めつけ)
マイク ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
本作のジャケに映る左側のマイクは、今回は間違いなく、コンデンサーマイクです。マイク資料P39にある、ノイマンM49と同型です。このマイクはweb上では真空管コンデンサーマイクとするページもみられますが、マイク資料ではチューブマイクと呼んでいます。
「周波数レンジが広く感度が高い」コンデンサーマイクの内部回路に真空管を用いてコンデンサーマイクの特徴に「太くまろやかなサウンド」が加わったものです。コンデンサーマイクはその構造から衝撃や音圧に弱いため、事実上はステージで使うのは無理、本作の通りにスタジオで使用されるマイクです。
またコンデンサーマイク、チューブマイクでは息を吐いた際に発生する「ポップノイズ」を防止する「ポップガード」を使うことが多いのですが、本作のジャケでも「ポップガード」使用されています。
さてジャシンタさんの本作を「今日の1枚」で取り上げた2004年5月30日には、「低音が活ている抑えた可愛らしさ、更に芳香が加わった歌声」との感想を書きました。
本作録音当時はノイマンM149が販売されており、ジャケにあるM49はヴィンテージでした。敢えてこのM49で録音したジャシンタさんの歌声を、今日は楽しんでみます。
つまみ食い後
歌手の命は声質ですね、いくら歌唱力が高くとも、いくら表現力が素晴らしくとも、声質が受け入れ難ければ好きな歌手にはなりません。もちろん、これには好みもあります。微かな色気と微かな可愛らしさを備え持つ声質のジャシンタさんは、私好みの歌手であります。それを見事にノイマンM49が捉えていました。
(掲示板掲載 2018年12月15日から3日間)
参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)