Doris Drew
Delightful Doris Drew

録音日 1957年9月1日
(年月はジャケ記載データ、日は決め打ち))

マイク ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 エヴァ・ダイアナのイラスト・ジャケでお馴染みのモー ド・レーベルに、マイクを描いた作品がありました。主役のドリス・ドリューさんよりも、マイクが目立っております。

 マイク資料でこのマイクを調べますと、RCAの77DXというマイクでした。ジャケットのマイクはイラストながら特徴をしっかりと描いており、形状や真ん中の2本ラインなどで特定できました。このマイクは古典的リボンマイクのようで名器とのことです。またドナルド・フェイゲンの名作のジャケットでもお馴染みのマイクです。

 リボンマイクの特徴は、「中域の質感が強く、良い意味で上下の帯域が少ない。独特の質感があり、暖かい音で、マイク自体の世界観を強く出せる」とのことです。

 このRCA77DXジャケ作品を「今日の1枚」で取り上げたのは、2000年5月22日のことでした。その際の私の感想は、「バラードが多い選曲なのですが、暖かみで包み込んでくれます」としてましたが、「太くて枯れた声です。ここぞという場面で音域の狭さを感じさせますが、声質の魅力でカヴァーしています」とも書いており、悪評とも取れるようなことを書いておりました。

 改めて本作を聴いてみます。

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つまみ食い後

 バラッドを暖かく聴かせてくれる本作品、何度も聴きました。ドリスさんの中域は、色彩豊かなものです。その時々で寂しげだったり、希望に満ちていたり、妖艶だったり、さっぱりしていたりと、様々な表情を聴かせてくれます。こんなドリスさんの特徴をRCA77DXは鮮やかに捉えております。

 19年前とは違った感想で聴き終えました。


(掲示板掲載 2019年2月12日から3日間)


参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)