Mr. P.C. (John Coltrane) (17分)
【この曲、この演奏】
1962年欧州ツアーでの重要曲が、ここミラノでも演奏されました。
15日間21公演の1962年欧州ツアーでのカルテットとしての手応えを、コルトレーンとそのメンバーがこの演奏にぶつけたような迫力の内容です。
演奏の構成が変わっています。まずはコルトレーンのテナーでテーマ、すぐにマッコイのピアノ・ソロが3分強と続きます。ここでベースのピッチカートでのソロとなり、これは今までになかったものです。ギャリソンが3分半ほど頑張った後に、コルトレーンがエルヴィンと絡み、すぐにテナーでのソロとなり、6分ほど続きます。その次には、これまた今までにないエルヴィンのソロとなり、3分ほど続きます。その後にコルトレーンが登場して、クロージングとなっていきます。
この録音状態が恨めしくなる、迫力のコルトレーン・カルテットでした。
【エピソード、この日の演奏の発売】
この日の演奏が ”まともな” ブートレグで発売されたのは、私の認識では2009年のことであった。
Rare Live Recordings RLR88652 (John Coltrane Quartet / The 1962 Milan Concert, released 2009)
私家録音で確認できるこの日の4曲の他に、1962年の欧州ツアーの他の日の演奏などを収録してのものであった。
ブートレグの音質で、放送局録音やラインアウトを天国だとすれば、このブートレグでの音質は地獄の一歩手前といったものである。そして少しでも良い音質をとのことで、結構なデジタル処理が行われたと思う。高音がキンキンと響く音質である。
【ついでにフォト】
2012年 みなとみらい、横浜
(2022年10月28日掲載)