2023年5月9日掲載

　このブートレグCDは2009年に発売されました。かなり状態の悪い録音状態ながら、その内容の貴重さから、コルトレーン・ファンの間で評判となったブートレグCDです。

　特徴は二つあります。

その1
　コルトレーンが黄金カルテットを率いて行った1962年欧州ツアー、その15日目にして最終日の12月2日の公演は、イタリアのミラノで行われました。その演奏は EAR Records からブートレグ発売されたCDに収録されていたようですが、ほとんど流通しませんでした。
一般のコルトレーン・ファンが聴けるようになったのは、 Rare Live Recordings から2009年に発売された、このCDでした。
1962年12月2日　ミラノ、イタリア
Everytime We Say Goodbye
The Inchworm
Mr. P.C.
Chasin’ the Trane

　もう一つの特徴は、カナダのケベック州のモントリオールにある La Tete de L’Art に、コルトレーン・カルテットが、6月24日或いは25日から7月6日まで出演していた中の演奏が収録されていることです。ただし黄金カルテットではありませんでした。この時期はエルヴィンが諸事情で不在となり、ロイ・ヘインズが代役となっていました。そしてこのブートレグCDで演奏が聴ける日は、そのロイ・ヘインズも不在となりました。このCDに記載されている替わりのドラマーはAndre Whiteとなっていますが、実際はドナルド・ベイリーのようです。
1963年7月4か5か6日　モントリオール、カナダ
Up ‘Gainst the Wall
Impressions

　さらにこのCDには1962年11月17日のパリでの演奏も収録されていますが、それは今まで何度も発売されてきたものです。

　各曲については、「今日のコルトレーン」をお読み下さい。

　貴重な演奏が聴けて、嬉しい限りです。