Bye Bye Blackbird
(M.Dixon - R.Henderson) (6分45秒)
【この曲、この演奏】
この有名スタンダードはコルトレーンのライブでの定番演奏曲となり、特に1962年の黄金カルテットでの欧州ツアーでは、毎日のように演奏していました。
コルトレーンのこの曲の演奏は、マイルス・グループでの演奏がその始まりであります。マイルスの元に戻ったコルトレーンのライブ演奏です。
さてここでの演奏ですが、頼りないピアノで始まり、ちょっと大丈夫かなと感じるマイルスのミュート・トランペットでテーマが演奏され、マイルスのソロへと続いていきます。これも1分が過ぎたあたりからは、ミュート・トランペットの響きに心を奪われていきますので、さすがはマイルスといったところでしょう。
その後に、テーマには加わっていなかったコルトレーンのソロとなります。「どうだい、オレの成長ぶりは」「自分ならこの曲はこう演奏するぞ」、そんな思いがコルトレーンの中にあるのかなと、感じました。
演奏は戸惑いのピアノ・ソロの後に、再びミュートでのテーマとなって、終わっていきます。
【エピソード、この音源発売】
このカフェ・ボヘミアでの演奏は、1970年代からブートレグLPレコードで発売されていた。
Chaka TH 100 MD (Miles Davis / Makin' Wax)が最初の発売と、資料07にリストされている。
その後もLPやCDでのブートレグ発売が続いたが、場所や時期は誤った記載が多いようだ。
2006年には次のCD4枚組が公式発売され、この日の演奏も収録された。
Prestige PRCD4-4444-2 (The Miles Davis Quintet / The Legendary Prestige Quintet Sessions、4CD、released 2006)
また2013年には次のブートレグCDが発売された。
Domino Records 891221 (Miles Davis Quintet with John Coltrane / The Unissued Café Bohemia Broadcasts、released 2013)
1956年9月15日
1956年9月29日
1957年4月13日
1958年5月17日
マイルス・グループのカフェ・ボヘミアの演奏がラジオ放送された4回分が収録されている。そのジャケットにはブートレグのお決まりの文句「the unissued」が記載されている。
【ついでにフォト】
2011年 タイプーサム ペナン マレーシア
(2023年5月15日掲載)