Once in a While
(M. Edwards - B. Green) (9分25秒)
【この曲、この演奏】
このセッションの最後の演奏曲にスタンダードが用意されました。「もともとはトミー・ドーシー楽団のために書かれた曲であるが、1950年の映画 アイル・ゲット・バイ に挿入された」(資料09)曲です。アート・ブレイキーのバードランドで有名な曲であり、BNでのディジー・リースの演奏も記憶に残る曲です。
コルトレーンのこの曲の演奏記録は、本セッションだけです。
さて演奏ですが、三管の重なりからピアノとなり、ハーデンによる美しいテーマとなります。このハーデンの演奏を聴いた瞬間に、この演奏は素晴らしいものになると実感することでしょう。その後にコルトレーンがテーマを吹いて、再びハーデンとなりますが、両者互角の美しき心の表現となっています。
ソロは、フラー、コルトレーン、ハーデンと続きます。艶麗なバラッドを聴いてうっとりするのもジャズの醍醐味ですが、この三人のソロの中にまさにそれがあります。
ソロはピアノへと続き、再びハーデンがテーマを演奏して、素敵な9分半が終わっていきます。
【エピソード、エピソード、コルトレーン語録 その16】
真のリスクは変わらないことだ。常に何かを追い求めていると実感しなければ。金が儲かるのはいいことだが、それよりも私は努力をしたい。それが私の望みなんだ。
ジョン・コルトレーン、ポール・D・ジマーマン著(ルース・ロスと共同執筆)”あるジャズマンの死” ニューズウィーク誌、一九六七年七月三一日号、78〜79ページより
(資料04)
【ついでにフォト】
2008年、みなとみらい
(2022年4月29日掲載)