19580513-05

Once in a While
(M. Edwards - B. Green)   
(9分25秒)



【この曲、この演奏】

 このセッションの最後の演奏曲にスタンダードが用意されました。「もともとはトミー・ドーシー楽団のために書かれた曲であるが、1950年の映画 アイル・ゲット・バイ に挿入された」(資料09)曲です。アート・ブレイキーのバードランドで有名な曲であり、BNでのディジー・リースの演奏も記憶に残る曲です。

 コルトレーンのこの曲の演奏記録は、本セッションだけです。

 さて演奏ですが、三管の重なりからピアノとなり、ハーデンによる美しいテーマとなります。このハーデンの演奏を聴いた瞬間に、この演奏は素晴らしいものになると実感することでしょう。その後にコルトレーンがテーマを吹いて、再びハーデンとなりますが、両者互角の美しき心の表現となっています。

 ソロは、フラー、コルトレーン、ハーデンと続きます。艶麗なバラッドを聴いてうっとりするのもジャズの醍醐味ですが、この三人のソロの中にまさにそれがあります。

 ソロはピアノへと続き、再びハーデンがテーマを演奏して、素敵な9分半が終わっていきます。



【エピソード、エピソード、コルトレーン語録 その16】

 真のリスクは変わらないことだ。常に何かを追い求めていると実感しなければ。金が儲かるのはいいことだが、それよりも私は努力をしたい。それが私の望みなんだ。

ジョン・コルトレーン、ポール・D・ジマーマン著(ルース・ロスと共同執筆)”あるジャズマンの死”  ニューズウィーク誌、一九六七年七月三一日号、78〜79ページより
(資料04)



【ついでにフォト】

tp08062-117

2008年、みなとみらい 


(2022年4月29日掲載)