Rhodomagnetics (take 1)
(Wilbur Harden) (7分56秒)
【この曲、この演奏】
調べましたが意味が掴めなかったこの曲名ですが、ハーデン作の曲です。コルトレーンのこの曲の演奏記録は、本セッションだけです。
春の賑わいを感じるミディアムテンポの曲を、暖かくハードバップで包み込んだ演奏になっています。テーマはフラナガンのピアノを生かしたもので、その後にハーデンのソロへと続きます。少し演奏に戸惑いも感じたハーデンのソロですが、続くコルトレーンのソロには、春の陽気さの中で自分らしさを表現しようとしているように感じるものです。うたた寝の気持ちよさが漂うフラナガンのソロがあり、ベースのピッチカートでのソロとなり、テーマに戻り演奏が終わっていきます。
この演奏は本アルバムには採用されずに、1976年になってから世に出ました。
【エピソード、エピソード、コルトレーン語録 その11】
自分のやりたいことがコードを使って達成できる限り、コードを捨てるつもりはない。コードが今後廃れてしまうかどうかは分からないが、今までと違った使われ方をされるのは間違いないだろう。私は音楽から何かを取り除くのではなく、むしろ、付け足していきたいんだ。”アンチジャズ”論争については何も答えたくない。呼びたい人には、そう呼ばせておけばいい。私は、私の考えるように、音楽の真実を探し続けてるだけだ。そのためには、利用できるものはすべて利用したい。あらゆる分野の音楽に、世界中にあるものすべてにインスピレーションを求めたい。何らかの仕組みをそっくり変えようと思ったら、大勢の協力が必要なんだよ。
ジョン・コルトレーン、「エスクァイア」誌、一九六五年九月号、125ページより (資料04から引用)
【ついでにフォト】
2009年、みなとみらい
(2022年4月21日掲載)