E.F.F.P.H (Wilbur Harden) (5分23秒)
【この曲、この演奏】
ウィルバー・ハーデン作のこの曲ですが、アルファベットを5つ並べています。ネットで検索してもここでの演奏がヒットするだけですので、ハーデンの個人的思い出を詰め込んでいのかもしれません。
この曲のコルトレーンの演奏記録は、本セッションだけです。
さて演奏ですが、ベースから格好良く入るテーマはラテンの香りが漂うもので、続くハーデンのソロはその香りを豊かにするものです。そして好演のフラナガンのソロの後に、情熱たっぷりのコルトレーンのソロが続きます。
曲名の意味はわかりませんが、良い内容です。
【エピソード、サヴォイでのコルトレーン】
コルトレーンの3つのセッションを収録できたサヴォイだが、コルトレーン人気は上昇の一途であり、その死後も更に人気は上がっていった。そうなると、この3つのセッションから生まれた3つのアルバムの再発を繰り返していくのは当然として、編集物の発売も考えるのは自然なことであろう。そしてその編集物には、コルトレーンの名を付けたくなるのも、理解はできるものだ。
未発表も収録して、次の作品を1977年にサヴォイは発売した。
John Coltrane - Wilbur Harden / Countdown - The Savoy Sessions
コルトレーンの名を先にクレジットしたのは、権利関係が大丈夫だったのかが気になるところだ。この作品に含まれている未発表演奏で、曲自体がオリジナルの3つのアルバムに含まれていないのがある。それは「Countdown」である。ハーデン作の曲であり、コルトレーン作のものとは同名異曲だ。この1958年の録音時点でこの曲名ならば良いのだが、1977年に編集物発売に際して、コルトレーン・ファンの需要を見込んでのことだとすれば、そこまでやるのかと思う。そしてサヴォイはこの 「Countdown」をアルバム名にもしている。そこまでやってしまっているのだ。
この後もこの手の編集物発売は続き、未発表ものを使いながら、コルトレーン・ファンの気持ちに応えている(を弄んでいる)のだ。
私が持っているのはCD2枚組で、1999年に発売された次の編集盤である。
Wilbur Harden john Coltrane / The Complete Savoy Sessions
そしてジャケには次にように書かれている。
"If you have turned to this double CD to fill in a missing link in your understanding oh John Coltrane, you may find yourself with an unexpected bonus"
要約すれば、「この2枚組を聴かなければ、コルトレーンを理解しているとは言えないぞ」である。
【ついでにフォト】
2009年、みなとみらい
(2022年4月19日掲載)