Not So Sleepy (Mat Mathews) (6分42秒)
【この曲、この演奏】
この曲は、オランダのマット・マシューズというアコーディオン奏者の手による曲です。1924年生まれの彼は、1952年にNYに渡り、ケニー・クラークやアート・ファーマー、そしてこのセッションのリーダーであるオスカー・ペティフォードなどと共演を重ねていました。(Wikipediaより)
この曲はそんな共演の中でオスカー・ペティフォードが気に入り、このセッションで取り上げることになったのでしょう。コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。
冷めた目で街を見つめる男性の雰囲気漂うミドル・テンポのこの曲は、アレンジで参加しているハリー・チューブスの洒落たアレンジが冴えた演奏に仕上がっています。
資料09によれば「テーマ部はバードとコルトレーンが中心地なってブリッジまでメロディ・ラインを担当する」とありますが、コルトレーンらしさが生きているものではなく、しっかりとメンバーの一員の仕事をこなしたとのものです。コルトレーンはソロをとっておらず、コルトレーンという目でこの演奏を聴けば物足りないものとなります。
しかしこの時代の勢いを感じる演奏で、ジーン・クイルの素敵なソロなどもあり、なかなかの演奏といえるのでしょう。
【エピソード、この企画】
これはダウンビート誌が1957年に主催した国際批評家投票の結果に基づく、オール・スターズ・セッションである。二つのグループの演奏を収録し、ベツレヘム・レーベルから「Winner's Circle」とのアルバムで1958年に発売された。
コルトレーンが参加しているグループは、見事一位に輝いたオスカー・ペティフォードをリーダーにしたグループである。ちなみにコルトレーンは、新人の部 テナーサックス部門で2位となり、このスタジオ収録に声が掛かったのである。
もう一つのグループはリーダーがオスカー・ペティフォードであるが、他のメンバーは次の通りである。
アート・ファーマー(tp)
ロルフ・キューン(cl)
エディ・コスタ(p, vib)
ケニー・バレル(g)
エド・シグペン(d)
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい
(2022年2月25日掲載)