Blue Train (take 1) (John Coltrane)
(7分8秒)
【この曲、この演奏】
「この12小節のブルース・ナンバーは、バック・コーラスのアレンジと共に3連音譜の使用が、アフリカ的な雰囲気を醸し出している。後のコルトレーンに見られるアフリカ的な発想の萌芽がすでにこの頃から見られるようになる」
このように資料09で書かれているアルバム・タイトル曲の「ブルー・トレイン」は本セッションで3回演奏されており、これがその最初の演奏です。
さて演奏ですが、その構成は本テイクとなったテイク3と同様で、3管によるテーマ、ソロがコルトレーン、モーガン、フラー、ドリュー、そしてチェンバース(ピッチカート)によるものです。各ソロはテイク3より短くなっています。
あくまでテイク3との比較ですが、テーマにおける3管の重なりには深みが薄く、またコルトレーンをはじめとする各ソロは、賑やかすぎて、力が入り過ぎているように感じるものです。
しかしながら、このテイク1は当然に楽しめるものです。
【エピソード、このテイクの発売年?】
このテイク1が発売された年について、残念ながら私は分かっていない。資料07では未発売となっているので、2007年までには発売されていなかったのであろう。私がこのテイクを聴いているのは、2016年発売のCDで、普通にアルバム「ブルー・トレイン」として発売されたもので、仰々しい宣伝文句は一切なく、このテイクを含めて3つの追加収録があるものだ。とすると、2008年から2015年のどこかで、「あのブルー・トレインの未発表曲が今ここに!」などのような宣伝文句のもとに発売されていたのであろう。
【ついでにフォト】
2010年 タイプーサム、ペナン、マレーシア
(2022年2月21日掲載)