Jupiter (John Coltrane) (5分21秒)
【この曲、この演奏】
この前に演奏された「Jupiter Variation」と同一曲なので、この曲の最後まで演奏したテイクとしては2つ目となり、インコンプリートを含めればテイク4となります。
前の演奏と同じ入り方で始まり、同じようにコルトレーンの演奏に突入していきます。そのテナー演奏を前のテイクと比べてみれば、過激さが弱まったかの感じがしますが、それはあくまで比較での話で、このテイクのコルトレーンには何かに挑み続ける人間の凄みを感じる演奏があります。
前テイクにあったドラム・ソロはこにテイクでは省かれ、演奏が終わっていきます。
【エピソード、日本での記者会見、インタヴューから、その11】
7月9日 東京プリンス・ホテル、コルトレーンの自室
辻本和明氏によるプライヴェート・インタヴュー vol.1 資料17から引用
Q
クラシック音楽について
JC
よくわからないね。「クラシック音楽」とは何か? これは私個人の意見に過ぎないが、それは世界各国でそれぞれの国の作曲家なり演奏家なりによって作られた音楽という意味ではないのだろうか? 踊ったり歌ったりするポピュラー音楽と相反する音楽ということになりますね? 私の意見に賛成ですか? つまり、私にとって「クラシック音楽」は、世界中さまざまな形で存在している。正しいかどうかはわからないが、私にはそういう言葉と感じる。音楽のタイプについて? つまり我々の演っているものについて、さきほどの話をもっと詳しく言えということかな? 我々の音楽は個人に帰属するものだと感じている。それに名前をつけたいというなら、クラシック音楽でも構わないよ。わかってもらえたかな?
Q
クラシック音楽を学んだ経験は?
JC
私が演ろうとしている音楽なら勉強するがね(笑)
Q
ソニー・ロリンズのプレイについて
JC
素晴らしい演奏家で、音楽家だ。
Q
最近では何時、彼に会いましたか?
JC
何ヶ月か前に(ヴィレッジ・)ヴァンガードで会ったよ。
Q
オーネット・コールマンについては? 学生達に答えたのと別のご意見は?
JC
彼は偉大なリーダーだ。偉大なリーダーだということは、私にとっては重要だ。
Q
ローランド・カークはどうですか?
JC
彼もまた偉大な演奏者だ。
Q
MJQについては? 9〜10月には英国へツアーするらしいですが。
JC
たいへん素晴らしいクァルテットだ。
Q
チャールズ・ミンガスはどうですか?
JC
彼の活動を尊敬している。
Q
マイルス・デイヴィスについては?
JC
彼は先生だったからね(笑)
Q
マイルスから演奏テクニックを学んだ?
JC
色々学んだけど、言葉で説明するのは難しい。ただミュージシャンが知っておくべきことはいっぱいあるし、それは耳で聴いて学ぶものなんだ。でも言葉で言うのは難しい。実際に耳で学んだことを自分のプレイに取り入れてやってみたいということだ。とにかくマイルスのバンドでは多くを学んだ。
【ついでにフォト】
2011年 タイプーサム、ペナン、マレーシア
(2021年10月27日掲載)