19670215-07

Offering (John Coltrane)  (8分19秒)



【この曲、この演奏】

 このセッションで演奏された8曲の中で、この曲だけがアルバム「エクスプレッション」に収録されて、この年の9月に世に出ました。他の7曲を我々が聴けるようになったのは、1995年のことでした。

 コルトレーンのこの曲の演奏記録は、長らくこのセッションだけしか知られていませんでした。2000年に入り、1966年11月11日のテンプル大学でのライブの模様が徐々に知られるようになりましたが、この曲がそこで演奏されていたことは、このライブがCD2枚組で発売された2014年まではごく一部の方しか知らなかったことだと思います。

 ピアノ、テナー・サックス、シンバルでのテーマは、静かなお祈り、あるいは瞑想の空間を感じさせるものです。1分を過ぎたあたりでドラムスが仕掛け、コルトレーンも応対しての真剣勝負となります。更には4分過ぎから迫力のぶつかり合いとなり、終盤にベースの弓弾きも加わり静かな祈りに戻り、演奏が終わっていきます。

 コルトレーンとアリのぶつかり合い、一聴の価値あるものです。



【エピソード、日本での記者会見、インタヴューから、その6】

7月9日 東京プリンス・ホテル、2階マグノリア・ルーム
早稲田、慶応、立教の「3大学モダン・ジャズ連盟」による共同インタヴュー vol.1 資料17から引用


Q
 あなたはクリスチャンと伺っていますが、どのような神を信じますか?

JC
 神の存在は信ずる。神とは、如何なるものかは知らないし、人間を超越しているのでわからない。しかし実際、居ることは確信している。


Q
 米国、アメリカについてどう思われますか?


JC
 現在、愛国主義者的な傾向にはないので、自分自身はアメリカ人として意識するより、世界の人民の一個人として意識している。


Q
 演奏中の心理状態は?


JC
 (大きくため息をついて)そうだなぁ・・・意識することは・・・時にコード、また瞑想、時にリズムの事について考えている。でも分からないな。


Q
 マルコムXについてどう考えるか?


JC
 イエス、イエス、イエス、彼を尊敬している、彼を尊敬している。



【ついでにフォト】

tp14001-062

2014年 みなとみらい


(2021年10月18日掲載)