19661111-01

Naima (John Coltrane)   (16分28秒)



【この曲、この演奏】

 日本公演でも取り上げられたこの曲を、このテンプル大学でのコンサートの(記録ある限りでは)最初に演奏しています。

 このCD2枚組を通して言えることですが、ソロをとっている楽器以外の演奏の録音レベルは微かなものです。またこの曲では途中からの録音となっており、聴こえる限りではファラオ・サンダースの演奏はありません。

 まずはコルトレーンのテナー・サックスでの、5分半のソロから録音は始まっています。落ち着いたテンポの中で生命の尊さを説くようなコルトレーンの演奏は、高い集中力の中での圧巻のものです。続くのはアリスのピアノで7分の演奏となり、色彩豊かな風の流れの表現となっています。あくまで録音上のことですが、微かに聞こえていたドラムスが終盤には録音レベルが上がり、それに合わせてピアノの録音レベルは下がっています。

 最後には4分弱のコルトレーンのテナー・サックスが、再び登場します。最初のソロに比べればアグレッシブな演奏を披露し、最後の1分ほどではテーマらしき演奏となります。それもテーマの後半部分が確認できる演奏です。

 録音自体に不満が残りますが、コルトレーンの演奏には満足できる内容です。



【エピソード、日本公演からこのコンサートまで】

過密日程の中で圧巻の日本公演(7/8-24)を行なったコルトレーン・バンドが、この11月11日までの間に行った活動記録は、資料07によれば次の通りである。


7月26日ー8月7日
ジャズ・ワークショップ、サン・フランシスコ

8月12日
ヴィレッジ・シアター、ニューヨーク

10月7日
Kresge Auditorium、マサセッチュー工科大学

10月30日
ヴィレッジ・ゲイト、ニューヨーク

11月7日(多分)
アドヴォゲイト教会、フィラデルフィア


 過密日程の日本公演から戻っても、すぐにジャズ・ワークショップに2週間近くの出演と、ここまでは超過密日程と言える。あくまで資料07情報の前提だが、これ以降のコルトレーン・バンドは単発出演だけの活動であった。また日本公演後からこのテンプル大学前までの演奏については、その音源は世に出ていないし、資料07上では存在を確認できていない。



【ついでにフォト】

tp05061-006

2005年 香港


(2021年9月25日掲載)