Naima (John Coltrane) (15分5秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーン作の名バラッドであり、コルトレーンのライブでの定番曲であります。アリスがグループに参加してから公式レコーディングとしては、初めての演奏となります。
コルトレーンのテナーから入り、美しいテーマを美しい音色で演奏していきます。そこには目の前の女性を大切にしたいとの思いがあるようです。
コルトレーン中心での3分の後に、ファラオのテナーが中心となって7分を超える演奏へ続きます。ファラオの演奏はその音色と共に、無骨な男の愛の告白のようなものです。
再びコルトレーンとなり5分近くの演奏となります、最初のと比べると、辛さが加わっているかのものです。
コルトレーンとファラオの、表現方法と音の響きの違いを聴き比べて、それでも二人ともにこの曲に身を寄せている姿に心が吸い寄せられ、演奏は終わっていきます。
【エピソード、トレーンの恋人の日記、最終部分より】
一九六六年五月三日、ジョンが会社に電話をかけてきて、会いたいと言う。イエス、と一度は答えたが、思い直して断った。夜、こんどはアパートに電話があった。また感情的になりたくないから断ったが、彼はどうしても会いたいと主張する。彼は一時間半ばかり私の部屋にいてほとんど私がしゃべるのを聞いていた。ビートルズやローリング・ストーンズのことを話すと、私がロックに興味を持っているのに驚いていた。私たちはついに二人の愛の終結を確認しあった。彼は部屋を出るとき、私にきいた。「スイート・ポテト・パイないかな?」
(資料01より)
【ついでにフォト】
2011年 ペナン、マレーシア
(2021年9月18日掲載)