Reverend King (John Coltrane)(11分2秒)
【この曲、この演奏】
キング牧師の名をタイトルにしたコルトレーン作のこの曲ですが、資料07によればコルトレーンの演奏記録はこのセッションだけです。
ピアノをバックにしたお祈りのようなものから始まり、コルトレーンのテナー・サックスによるテーマに入ります。それは牧師へ静かに語りかけるような演奏です。そこにファラオのテナーが顔を出し、徐々に暴れ出し、そしてファラオの7分以上のお叫びソロへ突入します。その後半にはコルトレーンがバスクラで絡んでいき、やがてバスクラでのソロとなり、再び静の演奏でバスクラでの後テーマとなります。そして終わりには再びお祈りの声が聞こえてくるのです。
資料07によればこれは、"Aum - Mani - Pad - Hi - Hum"を繰り返しているとのことです。
この演奏は1968年にアルバム「コズミック・ミュージック」に収録されて、世に出ました。
【エピソード、マヌ・ディバンゴの発言】
アメリカに住むアフリカ人たちは、いまみずからの本質について目を開きつつある。ジョン・コルトレーンは音楽家の仕事の上で、アメリカ黒人とアフリカ黒人のきずなを発見する努力をした。彼は、言葉では何も言わなかったが、楽器を通じて語りかけたのだ。北カメルーンにはホートボーイ(アフリカのオーボエ)奏者がいて、彼にそっくりのサウンドで演奏している。もちろん彼らがコルトレーンを聴いたことは一度もない。
マヌー・ディバンゴ (資料01より)
マヌ・ディバンゴはカメルーンのサックス奏者、ヴィブラフォン奏者、そしてシンガーソングライターであり、世界的に評価されている。(ウィキペディアより)
【ついでにフォト】
2010年 ペナン、マレーシア、タイプーサム
(2021年9月15日掲載)