Love (John Coltrane) (8分10秒)
【この曲、この演奏】
組曲「メディテーション」の後半の最初の演奏です。9月2日のカルテットでのセッションでは最初に演奏されました。そこでは、喜びを素直に受け入れるかのコルトレーンの演奏が、印象深かったです。
この日の6人編成での演奏では、ギャリソンの2分半近くのベース・ソロから始まります。そして静寂と馴染んでいるベースにコルトレーンのテナーが加わり、そよ風の如き演奏となります。20秒ほどしてシンバルと共にグループでの演奏となり風が少し強まりますが、そこでも草原にいる雰囲気には変わりありません。ただこの演奏ではドラムスが二人というのは、邪魔しあっている感があります。
ファラオのテナーが顔を出し始めたところで、次の「Consequences」の演奏となっていきます。
【エピソード、エルヴィンの片頭痛】
一九六五年末、マッコイ・タイナーが最初にバンドを離れた。そして一九六六年一月末にエルヴィンが去った。なぜ脱退したかについて、彼らはともに同じような理由を挙げている。
「彼はもうひとりのドラマーを入れた」とエルヴィンはホイットニー・バリエットに語っている。「わたしはもう自分のやっていることを聴くことができなくなった。あれじゃ、あまりに行き過ぎだ。私に言わせれば、まったくばかげている。わたしはすべてにおいてフラストレーションがたまっていた。だから、これ以上やっていけないと、感じたままを言うしかなかった。コルトレーンはあせったと思うよ。この二、三週間、わたしはずっと片頭痛に悩まされていたんだ」
こうして世に言う黄金のカルテットは終わりを迎えた。
(資料03より)
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい
(2021年9月11日掲載)