19650902-07

Consequences (John Coltrane) (7分15秒)



【この曲、この演奏】

 この日のセッションの後半は、「(主に悪い)結果、(否定の修飾語を伴う)尊大さ」などの意味のこの曲で始まりました。コルトレーンのこの曲の演奏記録は、本セッションと11月23日の六重奏団での演奏だけです。

 ドラムロールから始まり、テナーサックスの嗚咽、東洋的な匂いも感じるピアノ、エルヴィンと対峙するベースと、激しさと戦慄の演奏となります。2分半を過ぎたところで、マッコイのピアノ・ソロが2分強続きます。コルトレーンと同様のスピードとスリル求める演奏、混沌へ突き進むまここでのマッコイの演奏は、5年3ヶ月となるコルトレーン・バンドでの中でも初めてのものでしょう。

 再びコルトレーンが登場し、冒頭と同様の演奏を披露し、この曲のテーマは何だったのかは私には分からないまま、演奏が終わっていきます。



【エピソード、この時期のジャズ界の動き】

 (コルトレーンのアセンション)それから間もなく、質感という概念は実験的なジャズの重要なアイディアとして定着した。ピアニストのムホール・リチャード・エイブラムス率いるAACM(The Association for the advancement of Creative Musicians = 創造的ミュージシャンの進歩のための団体)は、ホーン、ピアノ、パーカッションによるオーソドックスな楽器編成に新しい楽器を導入することによって質感を強調した。メンバーには、のちにアート・アンサンブル・オブ・シカゴを結成するミュージシャンたちが入っていた。彼らは初めて、警笛やロープに吊るした水入りのバケツの音を演奏に取り入れた。日常の実用品を使った彼らの演奏は、”偉大な黒人音楽”と呼ばれることになる、より広がりを帯びているが依然として共同体的なつながりを保持する新しい世界を予見していた。(資料03より)



【ついでにフォト】

tp05034-007

2005年 香港 赤柱国際龍舟錦標賽2005


(2021年8月18日掲載)