Sun Ship (John Coltrane) (合計 16分22秒)
【この曲、この演奏】
この「Sun Ship」のマスター・テイクに至るまでの過程を聴いていきます。
-10 take 1(57秒)
この演奏の高速具合にメンバーの息が合わずに、1分経たないところで演奏は中断しました。
-11 take 2(6分24秒)
あくまで本テイクと比べれば、演奏の勢いの弱さを感じます。この演奏した時点ではこれで良しと考え、しかし終盤だけを録り直そうと考えたのでしょう。
-12 take 3 (insert 1)(計2分31秒)
演奏自体は1分46秒であり、テナー・サックスの洪水に圧倒される内容です。このインサート用の演奏の出来から、もう一度頭から録り直すこととしたのでしょう。
-13 take 4(6分30秒)
終盤を除けば、これがマスターとなりました。では差し替えられた終盤なのですが、そこでのコルトレーンのテナーその凄みは、鳥肌ものです。これを差し替えた理由はわかりませんが、強いていうのであれば、このテイク4での終盤にコルトレーンとリズム陣の間に少しの温度差を感じ場面がありました。
理由はともあれ、ここでの6分30秒、そしてテイク3での1分46秒、この二つを使いハサミを入れて、6分9秒のマスター・テイクを作りました。
【エピソード、「至上の愛」を聴いた若者たちの声】
この1965年の1月に発売されたアルバム「至上の愛」を聴いた若者の声を、資料01から紹介する。
ぼくは十七歳の白人で、アラバマ州バーミンガムに住んでいる。ここはジャズの盛んなところではところではない。しかし、友人にすすめられて「至上の愛」を初めて聴いたとき、その曲がぼくに話しかけてくるような気がした。このミュージシャンの魂が真底から求めているものは何か、それは他の連中は先刻ご承知のことだったが、ぼくはそのとき初めてそれが理解でき、それ以来コルトレーンのファンとなったのだ。
バート・ブルームズ
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2021年7月31日掲載)