19650826-01-03

Dearly Beloved (John Coltrane)
                 ( 計 7分51秒)



【この曲、この演奏】

 4回目のテイクがマスターテイクの殆どとなったのですが、それ以外のテイクについては、2013年発売の「Sun Ship : The Complete Session」に収められています。


-01&-02 テイク1&テイク2 (計6分27秒)

 「Sun Ship : The Complete Session」には技師の声、コルトレーンの声、テイク1とテイク2が、一つのトラックに収録されています。

技師の声 5秒

テイク1   5秒弱のフォルス・スタート

コルトレーンの声 16秒(これの14秒分がテイク4の頭に付けられ、マスター・テイクとなった)

テイク2  6分1秒

本テイクと比べるとコルトレーンのテナー・サックスに迷いが感じられます。またマッコイのピノには力強いブロック・コードがあり印象的でした。


-03 テイク3(1分24秒)

 技師の声、ベースのならし運転の後に演奏が始まりますが、コルトレーンが、これではテイク1と同じと感じたのか、演奏は中断します。



【エピソード、このエッションの2週間前のLAでのワッツ暴動】

 一九六五年八月十一日以前は、大部分のアメリカ人を含めて、当時ロセンゼルスの近くでその勢力を広げつつあった黒人ゲットー、ワッツ地区の存在について知る人は極めて少なかった。マルケット・フライという名の男がそのあたりを用もなくぶらぶらあるいていたというだけで、いきなり逮捕された事件がきっかけとなり、連続六日間にわたる暴動が起こったのだ。その最初の騒ぎが起こったのが八月十一日である。黒人たちは、その界隈を多くの警官が、いつもパトロールしているのを面白くないと思っていた。フライも当然その一人であったが、彼は以前何の罪もないのに、突然白人警官にとっつかまえられるという苦い経験を味わったので、なおさら不愉快な気分になっていた。その事件に引き続き起こった騒ぎの結果、三十三名が死亡し、八百十二名が負傷し、三千名以上が逮捕され、一億七千五百万ドルの物的損害が生じたのだ。

 このワッツ事件のニュースを聞いて、コルトレーンは政治的にではなく、あくまで個人的な立場で行動をとった。彼は、ただちにエリック・ドルフィーの両親に電話をかけ、その無事を確かめたのである。

(以上は資料01より)



【ついでにフォト】

tp13026-104

2013年 みなとみらい


(2021年7月27日掲載)