Chim Chim Cheree (R & R. Sherman)
(6分56秒)
【この曲、この演奏】
ウィキペディアによればこの曲は、「1964年のミュージカル映画『メリー・ポピンズ』の劇中で歌われる楽曲の1つ」とのことであります。また綴りは「Chim Chim Cher-ee」がこのミュージカル映画では正解のようです。
コルトレーンのレパートリーとしては、「My Favorite Things」や「Greensleeves」の流れを汲むもの言え、コルトレーンの演奏記録はこの1965年前半にあるだけです。
まずはアルバム「The John Coltrane Quartet Plays」用第1回セッションの2月17日で演奏されましたが、その音源は世に出ていません。続いて3月のライブでこの曲を何度か取り上げており、ブートレグで聴くことができます。
スタジオで演奏したが上手くいかず、3月のライブで演奏して何かを掴み、そして5月のセッションに臨んだと言えるのでしょう。
いくつかの読み物に、「この演奏は決して My Favorite Things の二番煎じではない」との表現が見受けられます。録音当時の最新のミュージカルからの曲、それをソプラノ・サックスで不思議さを加えて演奏していき、口ずさみやすいメロディを印象付け、さらにカルテットの爆発性で聴く者を圧倒していく、その意味ではここでの演奏は「My Favorite Things」での奇跡をもう一度甦らせた言えます。
【エピソード、本セッション】
アルバム「The John Coltrane Quartet Plays」用の3回目であり、最後のセッションである。2月の2回はアート・デイヴィスを加えての、ダブル・ベースでのクインテットでの演奏だった。それから3ヶ月後の本セッションでは、黄金カルテットでの演奏となった。
三曲が演奏され、全てがアルバム「The John Coltrane Quartet Plays」が収録された。初回にも演奏された「Chim Chim Cheree」、初回と二回目には演奏されなかった「Brasilia」と「Song of Praise」が、その三曲である。
【ついでにフォト】
2005年 香港 維多利亞港 遊艇航行
(2021年6月25日掲載)