19650507-01

Song of Praise (John Coltrane)
(19分27秒)



【この曲、この演奏】

 コルトレーン作のこの曲は、1964年4月27日のアルバム「クレッセント」用セッションで演奏されましたが、没テイクとなり、後年になって発売されました。それから1年後の1965年5月17日のアルバム「カルテット・プレイズ」用セッションで再びスタジオ収録され、OKテイクとなりました。

 資料07を見る限りでは、この曲の聴けるライブ演奏は、この1965年5月7日のハーフノートしかありません。これからすれば、コルトレーンはこの曲をどうしてもスタジオ収録して発売したく、没テイクから1年後の収録に向けて、このハーフノートで演奏したのでしょう。

 公式発売のには43秒のアナウンスが収録されております。

 そして演奏ですが、コルトレーンがテナーサックスで深淵な祈りの世界を吹き始め、トリオも静かに加わっていき、日本の心模様を綴った7分となります。続いてマッコイのソロも7分あり、いろんなアイディアを演奏に織り込んでいくマッコイに、エルヴィンが瞬時に反応していく様子が楽しめます。再びコルトレーンが登場し、好調なバックと共に、前半よりも激しい演奏を披露して、演奏は終わっていきます。

 コルトレーンはこの曲の演奏に手応えを得たことでしょう。



【エピソード、この日の音源】

 コルトレーンはこの年の2度目のハーフノート出演を、5月4日から9日にかけて行なった。その中の5月7日の演奏が、FM局で放送された。「Song of Praise」だけはエアチェック私家録音で早い時期から出回っていたが、2曲揃っては1990年頃のマグネティックからCD発売された。更には2005年に、コルトレーンが放送局から受け取っていたテープが、公式発売されたのだ。



【ついでにフォト】

tp12001-118

2012年 ペナン、マレーシア 


(2023年3月13日掲載)