Traneing In (John Coltrane) (7分33秒)
【この曲、この演奏】
1957年8月23日にプレスティッジでのレコーディング・セッションで、ガーランドと一緒に吹き込んだ曲で、1958年にこの曲名を冠したアルバムが発売され、コルトレーン・ファンにお馴染みになっていた曲です。また1962年と1963年のライブでは、黄金カルテットで何度も演奏された曲です。
さて演奏ですが、最初の3分ほどはギャリソンのベースだけのもので、彼の気合の入った演奏を楽しめます。続くはマッコイのピアノをフューチャーしたトリオでの演奏で、軽やかなマッコイを楽しめます。演奏開始から5分のところでコルトレーンのテナーが登場し、高いテンションでの、まるで早口で心情を吐露しているかの演奏です。
映画用の演奏であることを意識して聴くと、いろんな場面で使えるように、この曲の演奏に三つの景色を織り込んであるような演奏です。しかし、映画には使われませんでした。
【エピソード、主演女優 バーバラ・ウーリッヒ その4】
引き続きCD「ブルー・ワールド」の解説にある、主演女優 バーバラ・ウーリッヒのインタヴューを引用する。
ジョンが亡くなったとき、奥さんのアリスから電話で訃報が届きました。きっと、彼からジルのことを聞いていたのでしょう。本当に悲しい報せでしたが、ジルは、そのときもニュー・ジャージーのヴァン・ゲルダー・スタジオへの出張のことを話していました。それから何年経っても、彼はそのセッションについて語っていました。どれほど素晴らしいものだったのかって! そして、最後にいつも同じことを言ってました。「いやぁ、だけどコルトレーンは無口だったなぁ」
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい
(2021年5月29日掲載)