Like Sonny (John Coltrane) (2分35秒)
【この曲、この演奏】
この曲も黄金カルテットでのスタジオ録音が聴けることは、コルトレーン・ファンの大きな喜びでしょう。
1959年の3月26日のアトランティックのセッションで何度も演奏しながら当時はお蔵入りに、そしてその年の12月2日のセッションでの演奏がAlt 1354「コルトレーン・サウンド」で世に出ました。ジル監督はこのアルバムでの演奏から、コルトレーンに映画用にリクエストしたのでしょう。
さて演奏ですが、黄金カルテットの重厚さをいかしながら、コルトレーンのテナーが突進していく内容で、短い演奏時間ながら堪能できるものです。
映画の後半の田舎町のな面でこの演奏が似合う場面がいくつかあるなと思いながら聴いていましたが、映画では使われませんでした。
【エピソード、主演女優 バーバラ・ウーリッヒ その3】
引き続きCD「ブルー・ワールド」の解説にある、主演女優 バーバラ・ウーリッヒのインタヴューを引用する。
ジルは自分のフィルムが完成すると、もうその作品が気に入らない人でした。自分自身に極端に厳しい人でした。でも、「Le chat dans le sac」は、コルトレーンが音楽を引き受けてくれた事に、大きなこだわりを持っていましたね。コルトレーンはいつも彼にとて、最も偉大な人物であり続けました。
(映画公開後にウーリッヒは、モントリオールで行われたコルトレーン・カルテットのライブを観に行った)
演奏の休憩時間になると、コルトレーンは私達のテーブルにやってきて同席してくれました。ジミー・ギャリソンも加わりました。コルトレーンという人は、極端に口数が少ないのですが、ジルも無口なのは同じで、ですから二人の相性は最高でした。とにかく気が合っていました。私はとても多感な年頃でしたし、何を話したらよいかわからず、ただそこに座っているという感じでした。
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい
(2021年5月28日掲載)