I Want to Talk About You
(Billy Eckstine) (10分33秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーンが大切に演奏してきたこのスタンダードは、ここシュトゥッガルトでも演奏されました。
コルトレーンは引き締まったテナーの音色で、優雅にテーマを演奏し、徐々に少しアドリブを加えていきます。この聴き惚れる5分22秒の後に、テナー・サックスでの独奏となり、これが5分ほど続いて演奏は終わっていきます。その独奏は、「琴線に触れる」という表現が相応しいものです。
「バラードのコルトレーン、ここにあり」、そんな思いの10分間です。
【エピソード、この音源の発売】
この11月4日のシュトゥッガルトでの演奏は、最初に次のLPレコードで発売された。(資料07)
Jazz Galore (I) 1001 (Unissued Concert in Germany 1963 Part One)
ネットから得た情報では、1973年に発売されたとのことだ。
そしてこの日の演奏が、1993年に国内の徳間ジャパンからCD発売された。
BS (J) TKCB 70065 (John Coltrane / The Classic Quartet 1963)
ただしこのCDでは、「Recorded Live in Europe, 1963」とのクレジットであり、11月4日のシュトゥッガルトでの講演とは記載されていない。しかしながら封入解説で油井正一氏が、「このアルバムは11月4日シュットガルトのリーデル・ホールにおけるライブ・レコーディングのように思われる」と書いており、月日と場所のおおよその検討はついていたのであろう。
なお上記のCD発売以降の1995年に刊行された資料06では、このCDが11月4日の演奏とは記載されていない。しかしながら2008年刊行の資料07では、このCDの4曲が11月4日の演奏となっている。この二つの資料の間で、識者が調査が進んだのであろう。
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい、横浜
(2022年12月17日掲載)