Impressions (John Coltrane) (26分57秒)
【この曲、この演奏】
1963年11月2日のベルリン自由大学での公演で、コルトレーンはこの曲を最後に演奏したようです。
輝いていてスリリングなテナー・サックスでテーマを短く演奏した後に、マッコイの6分超えのソロとなります。それはコルトレーン・バンドでのマッコイの魅力が詰まった演奏であり、特に4分過ぎあたりからトリオとして力が入っていく演奏は聴き所であります。
その後にはギャリソンのベースがフューチャーされ、すぐに独奏となり、11分の演奏をピッチカートで行なっています。それは縦に横に宙を舞っているような素晴らしいもので、コルトレーン・バンドで数多くの名演を残したギャリソンの演奏の中でも、ここでのそれはトップクラスであります。
そしてコルトレーンが再び登場し、最後まで9分を超える演奏を繰り広げています。力み過ぎかなと感じる出だしですが、すぐにコルトレーンの世界となっていきます。ピアノがオフとなり、3分50秒からはエルヴィンとの一騎打ちの演奏となります。神がかりな演奏という言葉がピッタリの、4分半の演奏です。
この勢いのままカルテットでの演奏になり、テーマが演奏され、聴き所満載の演奏は終わっていきます。
【エピソード、1963年のミシェル・デロームのインタヴュー記事 その15】
デローム
それ(カルテットも絶好調)について、たまにリズム・セクションへ近づいていくのはなぜですか?
コルトレーン
このカルテットは絆が太いからね。だからつい近づいてしまうんだよ。これで答えになっているかな? それがはっきりとオーディエンスにも伝わっていたなら、私はハッピーだよ。
「ジャズ・オット」誌、一九六三年一二月号(資料04より)
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい、横浜
(2022年12月14日掲載)