19631025-01

Mr. P.C. (John Coltrane) (23分43秒)



【この曲、この演奏】

 この日の6曲の演奏順番は不確かでありますが、この曲が最初ということは何であろうと資料07は指摘しています。

 さて演奏ですが、10月22日とは構成を変えております。22日にはコルトレーンはソプラノでテーマを演奏しましたが、ここではテナー・サックスでの演奏です。そしてすぐにマッコイの5分強の熱気溢れるソロへとなります。あえて22日と比べるならば、この25日の方が刺激がありますが、心に響くものは22日に軍配が上がるかと、私は感じました。

 そしてドラム・ソロかと思いきや、ドラムとベースで40秒ほど演奏した後に、7分を超えるベース独奏となります。ギャリソンはピッチカートで聴く者を飽きさせない、変化に富んだ演奏を行っています。この後にエルヴィンのソロとなり、4分を超える熱演を繰り広げます。

 そして演奏開始から18分となって、いよいよコルトレーンのテナーでの演奏となり、6分弱を吹いて演奏は終わっていきます。その中身は5分弱の間はエルヴィンとのデュオであり、これはこれで聞き応えがあるものです。

 この23分を超える演奏を聴いて、そして22日の演奏と聴き比べて、この1963年の欧州ツアーでコルトレーンはこの曲に何かの思いをかけているのかと感じました。



【エピソード、この10月25日のコペンハーゲン】

 10月22日のストックホルム公演から始まった1963年コルトレーン欧州ツアーは、23日にオスロ、24日にヘルシンキで行われた。オスロとヘルシンキに関しては、資料07には演奏記録がなく、私が知り得る限りでも今日に至るまで発売されていない。

 1963年欧州ツアー四日目の10月25日は、コペンハーゲンで行われた。その模様は Denmark Radio broadcast が収録していた。その音源は1990年頃にマグネティックからCD二種類で発売された。私の認識ではこれが世界初登場なのだが、資料07によればほぼ同時期だがマグネティックよりも先にCD発売があったようだ。いずれも勿論、ブートレグである。



【ついでにフォト】

tp14017-158

2014年 みなとみらい、横浜 


(2022年11月19日掲載)