19630819-02

Out Of This World
(H.Arlen - J.Mercer)  
(24分45秒)



【この曲、この演奏】

 マーサー&アレンによるこの曲をコルトレーンは、1962年6月19日にインパルス!でのレコーディングで収録し、それはアルバム「(インパルス!の)コルトレーン」で1962年8月に発売されました。この曲のライブ演奏はいくつか確認されており、1965年9月30日のシアトルでの演奏はインパルス!から発売されています。

 テナーサックスとベースでの音の確認の後にテーマが始まり、そのままコルトレーンのソロとなり、10分ほど続きます。それまでまとまりの良いバックのリズム陣の演奏が、4分過ぎからそれぞれの自己表現となり、コルトレーンもギアを上げての演奏になっていきます。コルトレーンとリズム陣の刺激のぶつけ合いに、ライブの妙を感じます。

 続いては6分近いピアノソロなのですが、どうも煮え切らない演奏となっています。この後に再びコルトレーンの演奏となり、最後まで8分半ほど続きます。最初はマッコイに調子を狂わされたかの演奏ですが、2分過ぎから進む方向が見えてきたようです。そして4分を過ぎてからテーマを引っ張り出して演奏の流れを変え、良い演奏になっていきました。



【エピソード、この日の録音】

 資料07によればこの日の演奏は、6月10日のショウボートでのライブと同様に、Alan Sukoenig氏の 携帯用の機材で録音された。

 さらに資料07では、この8月のライブについて次のように記述されている。

 そのテープは最近になって、Institute of Jazz Studies (IJS) に収蔵された。このモノラルでの私家録音は、十分に聴けるものであり、コルトレーンのパワフルなソロが収められている。このテープは公式発売されるのが相応しい内容である (deserve to be released through official channels)。



【ついでにフォト】

tp05049-032

2005年 香港 


(2023年2月23日掲載)