19630707-01

I Want To Talk About You
(B.Eckstine)           
(8分20秒)



【この曲、この演奏】

 ビリー・エクスタイン作のこの有名バラード・ナンバーは、1958年2月7日のプレスティッジでのセッションで取り上げられ、アルバム「ソウルトレーン」に収録されて1958年10月に発売されました。そしてこのスタンダードをコルトレーンは、1960年から1965年までの間に、何度もライブで取り上げてきました。その様子は多くのブートレグ、またパブロからの発売で耳にすることができます。しかしながら、公式発売となったライブ演奏は、ここでの演奏だけです。

 リズム陣をバックにしてのテーマからアドリブ、そしてカデンツァ・コードと続く展開です。まず前半ですが、エルヴィンの場合はコルトレーンとの触発・融合とのスリル感がありますが、ロイ・ヘインズの場合は安心してバックを任せるとのものです。その上でコルトレーンは、原曲とコルトレーンの発展メロディが重なり合っていくとのものです。そして後半のコルトレーンの一人舞台ですが、なんと三分以上続きます。そしてこれがメロディアスとスリルの交差を存分に聴けるもので、何とも圧巻の内容です。

 フリーボディ公園に集まったお客さんは、これ一つでノックアウトされたことでしょう。



【エピソード、本セッション、ニューポート・ジャズ祭】

 この7月でもエルヴィンは復帰できず、代役のロイ・ヘインズの参加を得て、コルトレーン・バンドはニューポート・ジャズ・フェスティヴァルに出演し、全三曲の一時間ほどの演奏を行った。

 コルトレーンは通算5回のニューポート・ジャズ・フェスティヴァル出演歴がある。1958年7月3日の出演は、マイルス・バンドでのものだった。他の4回はコルトレーン・バンドでの出演であった。この1963年以外の3回の出演は、次の通りである。


1961年7月1日(日)
McCoy Tyner(p), Reggie Workman(b), Art Davis(b), Elvin Jones(d)

Impressions
Naima
My Favorite Things


1965年7月2日(金)
McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Elvin Jones(d)

One Down, One Up
My Favorite Things


1966年7月2日(土)
Pharoah Sanders(ts, pic, per), Alice Coltrane(p), Jimmy Garrison(b), Rashied Ali(d)

My Favorite Things
Welcome
Leo

(以上は資料07より)


 また資料07によれば、4回の出演の全ての演奏が、世に出ている。現在(2021年)では、1961年のを除けば、容易に入手可能である。



【ついでにフォト】

tp10008-165

2010年 ペナン、マレーシア、タイプーサム

(2021年4月27日掲載)