Impressions (take1) (John Coltrane)
(4分2秒)
【この曲、この演奏】
改めてコルトレーンとこの曲との関わりについて、簡単に触れておきます。
ライブで何度もこの曲を取り上げていたコルトレーンが、表舞台にこの曲を登場させたのは、1961年11月のヴィレッジ・ヴァンガードでの、3回の演奏でした。1961年から1965年にかけてのコルトレーンのライブにおいて、この曲は重要曲となっていきました。
その中で、スタジオでのこの曲の演奏も、この「今日のコルトレーン」で取り上げてきました。アルバム「(インパルス!の)コルトレーン」用のセッションの5回のセッションの中で、「Excerpt」とのクレジットを含めると、3回のセッションでこの曲が演奏されました。しかしどれも没となり、その中の一部が2002年に世に出ました。そんなスタジオ作業から一年近くが経ったこのセッションでも、この曲が取り上げられていたのです。
4つのテイクがあり、どれも演奏し切っています。ここでは4つのテイクを個別に取り上げて行きます。
まずは最初のテイクですが、コルトレーンにはまだまだ演奏の構想が固まっていないようです。1年半近く前のヴィレッジ・ヴァンガードでの名演を、思い起こそうと必死なのかなとも思ってしまいます。なおマッコイのピアノは、後半はお休みとなっています。
【エピソード、インパルス!売却後の未発表分の発売】
インパルス!は1979年にMCAに売却された。その直前の1978年にインパルス!は、マイケル・カスクーやデイヴィッド・ワイルドの発掘調査により、コルトレーンの未発表曲をアルバム4枚で発売した。
インパルス!は1998年にヴァーヴの傘下となった。そして2002年に未発表曲をまとめて世に出した。
そして本セッションが世に出たのは2018年である。そして2019年にも未発表が世に出た。しかしインパルス!にはまだまだ未発表が眠っているはずだ。今までの流れからいけば、それは2033年となるのであろう。2033年ならば、私が耳にすることが可能かもしれない。それまで何とかこのサイトを続けていきたい。
【ついでにフォト】
2005年 香港島 トラム
(2021年3月30日掲載)