Untitled Original 11383
(John Coltrane) (5分35秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーンのオリジナル曲で、曲名は付けられていませんでした。この音源が2018年に世に出た際には他の曲との区別のために、マトリックス番号が曲名に付けられました。
この前に演奏された「Vilia」のOKテイクが気に入ったのか、この曲でも引き続きコルトレーンはソプラノサックスで演奏いています。
スリリングでミステリアスな雰囲気漂うテンポの良いブルース曲ですが、各メンバーとも曲の雰囲気を活かした演奏となっています。コルトレーンのソプラノで雰囲気を作り、そこにマッコイのピアノ、さらにはギャリソンがアルコとピチカートでベースの魅力を引き立てた演奏と、気持ちの良い展開です。
恐らくは2月21日から出演しているバードランドで何度も演奏し、手応えがあった曲なのでしょう。
【エピソード、マスターテープ、7インチのテープ】
本セッションが2018年に世に出た際のCDに、録音テーオプについて興味深いことが書かれている。
本セッションの際のマスター・テープは、ヴァンゲル・スタジオに保管されていた。コルトレーンの死後の1967年にインパルス!が、あらゆるマスターテープをヴァンゲル・スタジオから回収し、このセッションの分も回収となった。
1970年台初頭にABCレコードの一般経費削減の取組に際しての保管費用削減のために、貴重なテープが廃棄されていった。商品として、レコードとして世に出なかったものに関しては、廃棄されたのであった。当然ながら、このセッションのテープも廃棄された。
インパルス!でのコルトレーンのセッションは、マスターテープの他に、モノラルでの7インチテープでの録音も行われていた。インパルス!はそれをコルトレーンに渡していたのだ。そしてこのセッションの7インチテープは、コルトレーンからネイーマに渡っていた。
【ついでにフォト】
2005年 香港島 トラム
(2021年3月28日掲載)