Vilia (take5) (Franz Lehar) (4分37秒)
【この曲、この演奏】
テナーサックスでの3テイクに満足できなかったのでしょう、テイク4からソプラノに持ち替え、このテイクとなりました。
さて演奏ですが、伸びやかに楽しさの中で、コルトレーンをはじめとするメンバーが気持ちの良い演奏を繰り広げています。テナーでのテイク3と聴き比べると、ソプラノに楽器を持ち替えたことで、ここまで大きく演奏内容が良くなるのかと、驚きで聴き入ります。
このテイクは1965年にオムニバス・アルバムで世に出ました。(右欄には1985年に発売されたコルトレーン名義のアルバムを載せた)
【エピソード、本セッション その2 演奏曲目について】
この「今日のコルトレーン」において、このセッションでの録音リストについては、2008年発行の資料07を基本としている。ここではこれ以前の資料における、録音リストの変遷について述べてみる。
資料09 1983年発行
-01 Vilia
-02 Untitled Original
-03 Untitled Original
-04 Nature Boy
-05 Untitled Original
-06 Untitled Original
-07 Untitled Original
-08 Slow Blues
資料06 1995年発行
-01 Vilia
-02 Untitled Original
-03 Nature Boy
-04 Untitled Original
-05 Untitled Original
-06 Untitled Original
-07 Slow Blues
この二つはほぼ同じと言え、この情報が長らく信じられていたようだ。
さて「Untitled Original」だが、これは曲としては4つである。2018年に音源が世に出た際には、2つの曲についてはマトリックス番号を曲名に付し、1曲は「Impressions」と分かり、残りの1曲についてはこの後のコルトレーンの記録から曲名を付けている。上記の資料06との対比だと次のようになる。
-02 Untitled Original → Untitled Original 11383
-04 Untitled Original → Impressions
-05 Untitled Original → Untitled Original 11386
-06 Untitled Original → One Up, One Down
この「今日のコルトレーン」でのリストでは、これに倣ってマトリックス番号を曲名に付している。
さて何故に2008年発行の資料07でこのセッションの詳細が判明したのは、以前から触れている2005年のカーンフェルド調査による。
【ついでにフォト】
2005年 香港島 トラム
(2021年3月27日掲載)