My Favorite Things
(R.Rodgers - O.Hammerstein) (13分13秒)
【この曲、この演奏】
やはり最後の演奏曲は、ペン・ステートでもこの曲となりました。
この曲の収録は不完全な形で終わっています。
いつも通りに始まり、マッコイのピアノが輝く中で、コルトレーンがソプラノ・サックスでテーマを吹き、すぐにこの曲の深い世界へ入っていきます。
演奏が始まって2分半のところでマッコイの6分を超えるソロとなります。それは輝き悩ましい、聴き入る内容です。このマッコイのソロを受けて、コルトレーンのソプラノが再び登場し、再びテーマを演奏し、アドリブの世界へ入っていきます。またテーマが演奏されその後に様相を変えてのソロとなり、マッコイとの興味ある絡みとなっていきます。しかしこのコルトレーンの2度目の演奏が4分半を迎えたところでフェイドアウトとなります。
マッコイのソロからスリリングな展開であっただけに、残念な録音終了です。
【エピソード、1963年5月 シカゴのマッキーズ出演について その1】
ジョン・コルトレーンを迎えたマッキーズ・ディスクジョッキー・ラウンジの夜は(特に初日は)いつもと違う雰囲気を漂わせていた。
奇怪な光景だった。夜十時頃、トレーンのカルテットが到着。コルトレーンがホーン(テナー・サックスとソプラノ・サックス)を組み立てる間、残りのメンバーはアップテンポなナンバーを一曲演奏した。
ドアの前では、マッキー・フィッツヒューの十五年来の秘書であるルルが通行人に、今晩を含めたコルトレーンが出演する夜のカヴァー・チャージが一ドルであることを伝えている。
トレーンのファンとおぼしき数人は、その値段を聞いてぎょっとなった。たちまち入口で交通渋滞が発生した。バーは満員、ボックス席も満員だ。その間も、全員のお目当てであるところのジャズ界の巨人は、黙々とサックスを組み立てていた。
「シカゴ・デイリー・ディフェンダー」紙、一九六三年五月十六日版、16ページに掲載(資料04より)
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2023年2月11日掲載)