Traneing In (John Coltrane) (23分9秒)
【この曲、この演奏】
1962年欧州ツアーでの定番演奏曲です。
軽快なピアノとベースで始まり、ドラムスが加わり、トリオで7分強の演奏を繰り広げています。マッコイの体が揺れているのが目に浮かぶような、リズミカルな演奏です。残念なのは、ドラムスの収録音のレベルが低いことです。
続くのはベース・ソロで、アルコで7分弱、そしてピアノとドラムスが加わってピッチカートで1分弱の演奏となっています。合わせて8分のベース・ソロを飽きさせずに演奏するギャリソンには、大きな存在感があります。
演奏開始から15分ほどで初めてコルトレーンが登場し、終わりまでテナーで8分強演奏しています。前半の泣きのテナー、後半の叫びのテナー、さすがのコルトレーンと言える演奏です。終わり間近に全体の収録音が低くなっているのが、残念なところです。
【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その26】
(コルトレーンの回答の続き)
さっきメッセンジャーズの話が出たが、ブレイキーは三分の四や六分の八、四分の四といった拍子でテーマを用いる。これは私たちもやっているが、中には五分の四拍子でテーマを導入するグループもある。こっちはまだ試したことがない。私たちのレパートリーの大半はバラードとかブルースといったスタンダードが土台になっている。伝統的なジャズ・ミュージックの構造から乖離しすぎることは避けたい。音楽的な話をすれば、限界に挑むのはインプロヴィゼーション中だけに留めておきたいし、私は他のメンバーにも、それぞれのコンセプトの枠組みの中で、私と一緒に、同じことをやってもらいたいと思っているんだよ。
1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい、横浜
(2022年10月15日掲載)