Bye Bye Blackbird
(M.Dixon - R.Henderson) (20分30秒)
【この曲、この演奏】
1962年欧州ツアーのオープニング曲は、この11月20日のヘルシンキでもこの曲で始まりました。
コルトレーンがテナーで快調にテーマを演奏し、47秒からアドリブ・パートへと入っていき、6分強を吹いています。ここではバックのピアノのマッコイが積極的とも聴けるし、コルトレーンの演奏を邪魔しているとも感じるものです。合わせて7分ほどのコルトレーンの後には、そのマッコイのソロとなり、自分のペースを取り戻して4分弱の演奏を行なっています。続くのはギャリソンのピッチカートによる4分のソロであり、その後に再びコルトレーンとなります。
このコルトレーンの演奏はテーマから入り、このまま演奏は終わっていくかの雰囲気ですが、コルトレーンはアドリブ・パートへ突入し、5分半ほどの演奏を行い、終了となります。このソロ開始から2分あたりでエルヴィンがコルトレーンに襲い掛かるかの演奏を1分ほど行なっています。
このオープニング曲に何らかの変化をコルトレーンを求めたけれど、ここではバラバラ感があるの演奏になってしまったのかなと、私は感じました。ただ、ツアーの中でのこのような演奏に触れられることが、この手のブートレグを聴いていく醍醐味と言えます。
【エピソード、こ日の音源の発売】
この日の演奏は、資料07によれば最初に次のCDで発売されたとのことである。
Magadisc (no no.) (John Coltrane / Helsinki 1962)
発売年は記されていないが、1995年発刊の資料06の時点では音源の存在が確認されていないため、1995年から2004年に発売されたCDだと想像する。
この11月20日ヘルシンキの演奏だとクレジットされている音源で、私が持っているCDは、2017年に発売された次のものである。
La Chant du Monde 574 2752.61 (John Coltrane / European Tour 1962, released 2017, 10 CD)
この手の発掘物に関しては、CDにあるクレジットをそのまま信用することは危険な場合がある。資料07のように、コルトレーン研究家たちの確認が欲しいところだが、今現在はこのCD10枚組への信用度は未知数だと、私は考えている。
このコルトレーン特集においては、「11月20日ヘルシンキの演奏だとされている」として扱っていく。
【ついでにフォト】
2007年 アムステルダム、オランダ
(2022年9月23日掲載)