I Want To Talk About You
(Billy Eckstine) (6分41秒)
【この曲、この演奏】
1961年の欧州ツアーで演奏していたこのスタンダード曲を、この1962年11月19日のストックホルムの後半の部で取り上げました。
スタート部が僅かに途中からの録音となっているのが、残念な点です。しかし演奏は、コルトレーンのテナー・サックスが、恋に不器用な男が精一杯に優しさを表現していくような感情表現で持って、素敵な演奏を披露しています。テーマをじっくりと演奏し、2分過ぎからはアドリブを交えながらの演奏となり、「バラッドのコルトレーン」を堪能できる内容です。
【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その10】
質問者
新しいテーマを選ぶとき、ソプラノとテナーのどちらでそれを解釈するか決定する判断基準のようなものはありますか?
コルトレーン
言葉ではうまく言い表せないな。説明するのが難しい。求めているサウンドの質もあるし、楽曲の持つ雰囲気とのバランスも大切だ。それにサウンドがテーマを忠実に再現できないといけない。そうしたことを客観的に判断して、テナーかソプラノを決める。
1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)
【ついでにフォト】
2007年 アムステルダム、オランダ
(2022年9月17日掲載)