19621119-10

Naima (John Coltrane) (6分49秒)



【この曲、この演奏】

 前半の部では4曲目に演奏されたこの曲ですが、後半の部では3曲目に演奏されました。

 前半の部と構成を変えており、この後半の部ではピアノ・ソロがなく、その分だけ演奏時間が短くなっています。そのためコルトレーンのテナーで、最初から最後まで演奏されています。それは前半よりも塩辛くなったものです。特に2分40秒からエルヴィンがシンバルを微かな音量で叩き始め、そして全体の演奏の鼓動が徐々に高まっていく流れは、聴き入るものとなっています。



【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その9】

質問者
 あなたはシドニー・ベシュを敬愛していると伺いました。彼に捧げる曲もあるそうですが、それでも、あなたのソプラノ・サックスのアイディアはベシュとは対極にあるとは思いませんか?


コルトレーン
 そのとおりだ。私たちのアイディアはまったく異なるが、かといって、私がシドニー・ベシュを嫌いになることはない。彼は非の打ちどころがないソプラノの達人だ。もちろん、世代は違うがね。ただ、五年後か十年後には、私たちが今やっているアイディアを根底から覆してしまうような別のミュージシャンがジャズ・シーンに現れるはずだ。いつの時代にも、その時代の伝統に即したプレイをするミュージシャンと、来るべき時代の先鞭となるプレイをするミュージシャンがいるんだよ。


1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)



【ついでにフォト】

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2007年 アムステルダム、オランダ 


(2022年9月16日掲載)