19621119-07

My Favorite Things
(R.Rodgers - O.Hammerstein) 
(21分8秒)



【この曲、この演奏】

 11月19日のストックホルム公演前半の部の締めの曲は、やはりこの曲です。

 コルトレーンのソプラノから始まるいつものテーマとなり、無難な2分半ほどの演奏です。続くマッコイの6分43秒のソロは、後半になって方向性がみえてきた感じですが、単調なものとも言えます。ソロの終わりのテーマにコルトレーンのソプラノが加わり、そのまま11分48秒のコルトレーンの演奏となり、終わっていきます。このコルトレーンのソロですが、出だしでは緊張感があるものですが、迷路に入ってしまったかなとの場面も多いものです。終盤になって、コルトレーンの頭の中に浮かぶ風景と演奏がようやく一致し始めたかなとのものになり、そのままテーマとなって演奏が終わっています。



【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その6】

質問者
 もっと伝統的なグループではどうでしょう。メッセンジャーズのテナー・サックス奏者として、ブレイキーが望むようにプレイすることはできますか?


コルトレーン
 これもまたイエスだ。アートが求めるものは何を差し置いても熱意だ。バンド・リーダーならごく当然のことだが。例えば情熱的な若手ミュージシャンがいたら、彼が非常に大切なあの”勢い”を持っているのなら、テクニックが多少拙くても大目に見てやれる。腕前が上がるのを辛抱強く待つよ。テクニックはあっても、熱意や信念、パンチに欠けるプレイヤーに比べたら、成長への期待が感じられるからね。アートとはレコーディング・セッション中に何度か会ったが、間違いない。彼は力強い、情熱的なサックス奏者が好みだよ。


1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)



【ついでにフォト】

tp07008-009

2007年 アムステルフェーン、オランダ 


(2022年9月13日掲載)